カフェインとは?摂取量や効果と影響、食品中の含有量について

カフェインとは?

カフェインとはコーヒー豆、茶葉、カカオ豆、ガラナなどに天然に含まれている食品成分の一つで、主に紅茶や緑茶、コーヒーなどの飲料に多く含まれています。また、カフェインは、医薬品として処方されるほか、食品添加物(苦味料)として嗜好性を改善したり、食欲を増進させるためにも用いられてきました[1]。

カフェインの効果や影響

カフェインの主な効果は覚醒作用であり、摂取することで、眠気の解消や、注意力・集中力と覚醒の維持、有酸素運動の遂行能力を向上することなどが示されています[2]。
しかし、カフェインを大量に摂取し、中枢神経系が過剰に刺激されると、めまい、心拍数の増加、興奮、不安、震え、不眠が起こったり、消化器管への刺激によって下痢や吐き気、嘔吐することもあります[1-5]。
また、長期的な作用としては、人によってはカフェインを摂取することで。高血圧のリスクが高くなる可能性があることや、妊婦が高濃度のカフェインを摂取した場合、胎児の発育を阻害(低体重)する可能性が報告されています[1, 3-5]。

このように、カフェインの摂取には明確な効果もありますが、過剰に摂取すると身体への影響もあるため、それぞれの健康状態に応じた適切な摂取を心掛けることが重要です。

カフェインの摂取量について

カフェインに対する感受性には個人差があり、健康に及ぼす影響を正確に評価することは難しいため、日本ではカフェインの明確な摂取目安量が定められておりません[1, 3-5]。
一方、海外では摂取しても問題ない量の目安を定めている国もあり、例えばカナダの保健省では、成人に推奨されるカフェインの摂取量が1日あたり約400 mgとされており、妊婦や授乳中、あるいは妊娠を予定している女性の場合は最大300 mg、子どもの場合、10~12歳では約85 mg、7~9歳では約62.5 mg、4~6歳では1日あたり約45 mgが推奨されています[4-5]。

健康に悪影響のない1日のカフェイン摂取量目安の例(カナダ保健省)

カフェインが含まれている食べ物や飲み物

カフェインはコーヒーや紅茶のほか、エナジードリンクなどの飲料に多く含まれています。また、一部の製品や食品にも含まれていることがありますので、摂取時には注意が必要です。

食品中のカフェイン含有量

品目カフェイン量備考
エナジードリンク又は眠気覚まし用飲料
(清涼飲料水)
32~300 mg/100 mL製品によってカフェイン濃度及び内容量が異なる。
コーヒー 浸出液0.06 g/100 mLコーヒー粉末 10 g/熱湯 150 mL
インスタントコーヒー4.0 g/100 g顆粒製品
玉露 浸出液0.16 g/100 mL茶 10 g/60 ℃ 60 mL、2.5分
抹茶 茶 (粉末)3.2 g/100 g粉末製品
せん茶 浸出液0.02 g/100 mL茶 10 g/90 ℃ 430 mL、1分
紅茶 浸出液0.03 g/100 mL茶  5 g/熱湯 360 mL、1.5~4分
ほうじ茶 浸出液0.02 g/100 mL茶 15 g/90 ℃ 650 mL、0.5分
ウーロン茶 浸出液0.02 g/100 mL茶 15 g/90 ℃ 650 mL、0.5分
純ココア0.2 g/100 g粉末製品
コーヒーゼリー0.1 g/100 gゼリー部分のみ

参考値:エナジードリンク又は眠気覚まし用(清涼飲料水) 農林水産省 カフェインの過剰摂取について
コーヒー・緑茶  日本食品標準成分表2020年版(八訂)

注意すること

カフェインに対する感受性には個人差があるため、一日当たりの摂取量の目安は人によって異なりますが、一般的な目安を知っておくことが重要であると言えます。適切な摂取量を守ることで、健康への影響を最小限に抑えることができると考えられます。

食品中や飲料中のカフェイン含有量を把握するためには、製品のラベルや成分表を確認することが大切です。特にエナジードリンクなどの一部飲料には、高濃度のカフェインが含まれている場合があるため、注意が必要です[1, 3-5]。

エナジードリンクなどのカフェインが多く含まれる飲料とアルコールを一緒に摂取しないようにしましょう。また、カフェインを含む医薬品を服用する場合、カフェインの過剰摂取を防ぐため、エナジードリンクやコーヒー、お茶などのカフェインを含有する飲料と一緒に飲むことは避けましょう。カフェインが含まれる医薬品については、その医薬品の「添付文書」や製品のウェブページにおいて、成分にカフェインの記載がされております。医薬品を服用の際には、添付文書をよく読み、記載の用法・用量を守って服用してください[3-5]。

摂取量目安を守りながら、カフェインを適切に摂取することで、その効果を最大限に活用しましょう。

参考文献

[1] 食品安全委員会, 食品安全, 51, 2-3, 2017
[2] 栗原久, コーヒー/カフェイン摂取と生活 -カフェインの精神運動刺激作用と行動遂行-, 東京福祉大学・大学院紀要, 7, 5-17, 2016
[3] 農林水産省, カフェインの過剰摂取について
[4] 消費者庁, 食品に含まれるカフェインの過剰摂取について
[5] 食品安全委員会ファクトシート, 食品中のカフェイン

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記事の監修

酒井美穂

酒井美穂 技術課長

大阪大学大学院工学博士。

宮崎県食品開発センターでの食品の機能性成分分析や、宮崎県総合農業試験場で食品中の残留農薬分析に長年にわたり従事し、食品の高付加価値化や、食の安全安心に貢献してきた。

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