残留農薬検査メニュー

残留農薬検査は現在5つのメニューをご用意しております。

メニュー名価格
(税込み)
納期特徴このような方にオススメ
残留農薬500成分一斉分析¥77,000最短
翌日
野菜類では、国内登録農薬のうち、よく検出される成分の約80%をカバーしている検査メニューです。隣接圃場からのドリフト、使用農薬の適正管理等、さまざまな用途に活用できます。・残留農薬のリスク管理がしたい
・できるだけ多くの農薬を測定したい
残留農薬400成分一斉分析¥55,000最短
翌日
隣接した圃場からのドリフトや、使用農薬の適正管理など、さまざまな用途に使用することができる一般的な検査メニューです。・残留農薬のリスク管理がしたい
・GAP等の申請, 更新時の分析に使用したい
残留農薬300成分一斉分析¥33,000最短
翌日
500成分、400成分よりも分析できる成分数は少ないですが、試しに残留農薬検査をしてみたいというニーズにご対応いたします。・試しに残留農薬検査をしてみたい
ジチオカルバメート系農薬分析¥33,000最短
翌日
ジチオカルバメート分析では、ジラム, チラム, ニッケルビス, フェルバム, プロピネブ,ジネブ, マンゼブ, マンネブ, ミルネブ, ポリカーバメートの10成分の農薬を測定します。測定結果は基準値と比較できるように、二硫化炭素に換算します。・ジチオカルバメート系農薬を分析したい
個別分析¥11,000~最短
翌日
一斉分析では測定が困難な農薬成分を対応するメニューです。ご相談内容にもよりますが、対応できるよう分析法開発も行っております。・一斉分析に含まれていない農薬成分を測定したい
・実際に使用した農薬を測定したい

※参考文献:農林水産省「国内産農産物における農薬の使用状況及び残留状況調査の結果について(令和4年度)」~別表3 定量限界以上の濃度が検出された検体に関する残留状況調査の結果

農薬を学ぼう

農薬を学ぼう!

農薬とは、農薬取締法で「農作物等を害する菌、線虫、だに、昆虫、ねずみ、草その他の動植物又はウイルスの防除に用いられる殺菌剤、殺虫剤、除草剤その他の薬剤及び農作物等の生理機能の増進又は抑制に用いられる成長促進剤、発芽抑制剤その他の薬剤」とされています。
上記のように、農薬を使用せずに今と同じように食料生産を維持するには、現在の約3倍の農耕地が必要となり、草地、森林の大規模開発せざるを得なくなります。また、収穫量の面では、農薬を使用しなかった場合、ほとんどの作物で減収となります。したがって、農薬は私たちの現在の生活を維持するうえで重要であると言えます。

(参照:農林水産省「農薬とは?」 JCPA農薬工業会

農薬を規制する代表的な法律

農薬を規制する代表的な法律
・農薬取締法
・食品衛生法

しかしながら農薬は、使用を間違えれば環境や人体に悪影響を及ぼす恐れもあるため、日本には農薬に関する法律が2つあります。

1つ目は農林水産省が所管している農薬取締法で、農薬について登録の制度を設け、販売及び使用の規制等を行うことにより、農薬の品質の適正化とその安全かつ適正な使用の確保を図り、もって農業生産の安定と国民の健康の保護に資するとともに、国民の生活環境の保全に寄与することを目的としています。つまり、作物ごとで使用しても良い農薬が決まっており、登録されている農薬以外の使用は禁止されています。

2つ目は厚生労働省と消費者庁(2024年4月1日から)が所管している食品衛生法で、人の健康を損なうおそれがないように残留農薬基準値を設定しています。作物ごと、かつ農薬ごとで残留していても問題ない量が決まっており、その基準を超えた食品の流通・販売・輸出等は禁止されています(いわゆる「ポジティブリスト制度」)。
ポジティブリスト制度では、すべての農薬等(農薬、飼料添加物、動物用医薬品)を対象としており、その対象を「残留基準」、「一律基準」、「基準を設定しないもの」の3つのカテゴリーに分けています。また、基準値については、食品安全委員会が農薬等のヒトに対する健康影響についてリスク評価を⾏い、厚生労働省がその評価結果に基づき食品中の残留基準値の設定を⾏っている。これらの審査により安全性が確認された後、農薬等としての使用が許可されています。
残留農薬検査結果に問題ないかは、この2つの観点から判断されます。

(参照:農林水産省「農薬取締法の概要(改正後)」 JCPA農薬工業 消費者庁「食品衛生法における農薬の残留基準について」

残留農薬の必要性

「残留農薬検査」とは?

新聞などで食品の残留農薬基準値超過のニュースを目にしたことはあるかと思います。これは保健所等行政機関の行う収去検査の一つとしての残留農薬検査です。皆さんが口にする食品は、食品衛生法に基づいて残留農薬の基準値が定められています。

一般的にはこの基準値を超えなければ、食べても安全とされています。このため保健所等行政機関は残留農薬検査を行い、残留農薬の基準値を超過した食品が見つかれば、流通不可と判断し市場からの回収を命じます。
また、同じ残留農薬検査ではありますが、生産者や食品加工業者などが自主的に行う検査、いわゆる自主検査もあります。主に個人農家及び生産者団体の農作物の出荷前の確認として、また食品加工業者には、加工前の原料段階での確認などに利用されています。

なぜ自主検査をするのか?

農薬の使用方法は、生産現場での農薬の使用が適正であれば、残留農薬の基準値を超えることはないように設定されています。しかしながら、圃場で農薬を直接使用していなくても、周辺圃場など外部からの飛散(ドリフト)のおそれがあります。飛散してきた農薬成分の残留基準値がとても厳しい一律基準の0.01 ppmであった場合には、ごくわずかなドリフトのレベルであっても、基準値を超過してしまう可能性があります。もし収去検査で見つかれば、流通不可となり、市場から回収しなければなりません。
そのため個人農家や生産者団体または食品加工業者の方が、出荷前や食品加工前に検査で確認し、問題がないとわかったものを、安心して販売あるいは加工にまわすことができる、というのが自主検査の役割の一つです。
さらに農薬の使用に関するルールや残留農薬に関するルールの解釈は、複雑な場合があります。そのため農薬ごとの適用作物の分類や基準値などを個人で判断した場合、間違ってしまう可能性もあります。複数人の目を通すことで、個人で判断する場合より間違いのリスクを下げることができるのも、検査をするメリットになります。

例えば、トマトとミニトマトを育てる場合、作物ごとに使える農薬が決まっています。このことを知らずにミニトマトを「トマト」に適用のある農薬を使って育てると、適用外の農薬使用となる可能性があるのです。また、ミニトマトの方が同じ重量当りの表面積が大きいため、同じ使い方でも検出濃度が高くなることがあります。
なお、中玉トマトの場合、「トマト」「ミニトマト」どちらの農薬を使用すればいいのかは、大きさで異なりますので、使用前に確認しましょう。

では、残留農薬基準値についてはどうでしょうか?
食品中の残留農薬については、この話の冒頭にもありましたが、食品衛生法の中で、作物毎に残留農薬基準値が決まっています。トマトは「トマト」の基準値ですが、ミニトマトは? こちらはミニトマトも含めて「トマト」の基準値で判断します。「その他なす科野菜」には該当しませんので、注意しましょう。

不安だなぁ…と、ドキドキしているよりも、一度自主的に検査をされてみてはいかがでしょうか?

ご依頼方法はコチラ

(参照:公益財団法人日本食品化学研究振興財団「残留農薬基準値検索システム」農林水産省「農薬登録情報提供システム」
独立行政法人農林水産消費安全センター(FAMIC)「農薬」>「よくある質問」、全て 2025.3.12参照)

農薬の残留基準違反 原因は?

ドリフトについて

残留農薬基準違反の1番の原因は隣接作物からのドリフトです。ドリフトとは、散布された農薬が目的外の農産物に付着してしまう現象を指します。
例えば、ニンジンには使って良い農薬でも、ダイコンは使ってはいけない農薬があったとします。ニンジンとダイコンの畑が隣接している状況で、その農薬をニンジンに使用した際、意図せずにダイコンにもかかってしまうことがドリフトの原因の一つです。
そのような違反防止策の例として、農薬一斉分析メニューで検査を行い、実際に使用した農薬以外の多くの農薬成分を確認することがあります。食の安全分析センターでは、残留農薬500成分一斉分析残留農薬400成分一斉分析などの検査メニューがございます。是非ご活用下さい。
また、当センターの成績書の判断方法や基準値・農薬適用の検索方法についても説明しております。コチラのページをご覧ください。

最短翌日報告が可能な理由について

一般的に残留農薬検査や機能性成分検査は作業工程が煩雑で、加えて複数の装置を使って測定するため、結果を出すのに時間がかかります。そこで、当センターでは宮崎県総合農業試験場が開発した、十分な精度が確保された迅速な抽出方法と、多様な農薬成分を一度に測定可能な超臨界流体クロマトグラフィー(Supercritical Fluid  Chromatograph:SFC)、そして秀でた解析システムである株式会社ビーフォース製のMulti-ChromatoAnalysT(M-CAT)を使用しています。これら3つの技術のコラボレーションにより、検査結果の最短翌日報告を実現しています。

迅速な抽出方法

一般的な残留農薬検査の試料調製は、①試料作物を細かくする「試料粉砕工程」、②有機溶媒等による「試料からの農薬成分抽出工程」、③試料中成分から農薬成分を分離する「精製工程」から構成されます。
当センターが採用している宮崎県総合農業試験場で開発された試料調製方法は、通常よりも試料を細かくする「試料の微粉砕」と「精製工程の省略」によって、効率的で迅速な試料調製を実現します。具体的には微粉砕された試料は均一であるため、どこをとっても代表試料を採取することができ、少量の試料・少量の試薬で抽出可能です(上図)。
また、測定に用いる分析装置(超臨界流体クロマトグラフ質量分析計, SFC-MS)は、試料中成分から農薬成分を高度に分離することが可能であるため、精製工程を省略することができます。
よって、一般的な残留農薬検査の試料調製は半日ほど時間を要しますが、当センターの方法では30分程度で完了します。

詳しい方法を知りたい方は、ぜひ見学にお越しください!

見学のお問い合わせはコチラ

優れた測定技術

超臨界流体とは?

超臨界流体は、気体・液体・固体といった物質の状態の一つで、気体のように隅々まで広がり、液体のように物を溶かすといった性質を持っています。当センターでは、その超臨界流体の性質を活かした超臨界流体クロマトグラフィー(Supercritical Fluid  Chromatograph:SFC)を用いて、残留農薬成分や機能性成分の分析をしております。

超臨界流体クロマトグラフィーの特徴

SFCの移動相として、二酸化炭素の超臨界流体を用いて残留農薬の分析しております。
超臨界流体二酸化炭素にはユニークな特徴があります。

①臨界点が31℃、7.4 MPaで、臨界流体になりやすい(水の場合、374℃、22.1 MPa)ため、取り扱いが容易
②毒性が低く、安全に使用できる
③低極性にもかかわらず、極性溶媒(メタノールなど)と混和することが可能であり、低極性から高極性の多様な化合物を溶解できる
④低い粘性と高い拡散性により、高速で流しても装置に圧力がかかりにくく、分離性能を維持できる

こういった理由から、容易で安全、迅速かつ多様な成分の分析が可能になります。

(参考文献:島津製作所 SFCベーシックガイド

秀でた解析システム

解析システム Multi-ChromatoAnalysT

当センターでは、株式会社ビーフォース製のMulti-ChromatoAnalysT(M-CAT)を用いて農薬成分や機能性成分の解析を行っております。従来、農薬成分や機能性成分のデータ解析は多サンプルx多化合物数で、大量のMSクロマトグラムを解析する必要があるため、非常に手間がかかります。M-CATを用いることで、複数のMSクロマトグラムを1画面に重ね描き、正確な定量を行うためにかかる膨大な時間と手間を短縮することが可能です。

Multi-ChromatoAnalysT(M-CAT)による解析スキーム

(第46回農薬残留分析研究会, ポスター発表「SFC-MS/MSを用いた食品中残留農薬分析に関する検討」参照)

既存ソフトでは460成分×10サンプルを解析するのに115分ほどかかっていましたが、Multi-ChromatoAnalysT(M-CAT)では同じ解析量を26分ほどで解析することができ、解析時間を大幅に短縮することができました。
また、既存ソフトとM-CATでの解析において、分析値に有意差は見られなかったことから、導入に至りました。

検査依頼方法

残留農薬検査の特徴

信頼性のある試験結果

ISO/ICE17025を取得しております。認定書

ISO17025とは、試験所が正確な測定を生み出す能力があるかどうかを、権威ある第三者認定機関が認定する国際規格です。

また、外部精度管理として技能試験(FAPAS)に毎年参加をしており、信頼性のある試験結果の提供に努めております。

ISOに関する記事はコチラ

ISO取得

GAP取得・更新時の残留農薬検査も対応

私たちは残留農薬検査において、日本GAP協会公認の推奨検査機関です。

また、JGAP指導員も在籍しております。
ご相談等ありましたら、お気軽にお電話ください。

GAPについての記事はコチラ

JGAP認定検査機関認定書

検査結果の最短翌日報告

依頼書の「電話で速報後、成績書を郵送」にチェックを入れるだけで最短翌日に結果を報告します。

追加料金は不要です。

お問い合わせはコチラ
TEL:0985-45-0328

高い技術力

宮崎県総合農業試験場開発の分析技術と、検査機関では数少ない超臨界流体クロマトグラフ質量分析計という装置を用いて、多くの農薬を一斉に分析する技術を持っております。

また、これまでに約100種類の食品を分析してきた実績があります。

残留農薬検査 pesticide residue test SFC

残留農薬に関するQ&A

残留農薬500成分一斉分析と残留農薬400成分一斉分析、残留農薬300成分一斉分析の違いは何ですか?

《残留農薬500成分一斉分析》
残留農薬500成分一斉分析は残留農薬400成分一斉分析と残留農薬300成分一斉分析を組み合わせたお得なメニューです。
400+300=700成分と考えたいところですが、400成分一斉分析と300成分一斉分析の成分で重複するものがあるため、500成分前後の分析成分数となります。
できるだけ多くの農薬成分を分析したいという方におすすめです。使用した農薬の残留状況の確認だけでなく、外部からのドリフトの影響等にも有効です。

《残留農薬400成分一斉分析検査》
水に溶けやすい農薬成分から油に溶けやすい農薬成分まで幅広く確認することができます。比較的多くの農薬成分を分析することが可能で、残留農薬のリスク管理に有効です。また、GAP等の申請、更新時に多くのお客様にご利用いただいております。

《残留農薬300成分一斉分析検査》
主に揮発性が高く、油に溶けやすい農薬成分を確認することができます。試しに残留農薬分析をしたいという方が多く利用されているメニューです。

どんな食品でも分析は可能ですか?

油脂やたんぱく質を多く含む食品については分析が難しい場合があり、分析実績のない食品については、分析できるかどうかの確認試験が必要になるため、お時間をいただく場合がございます。
分析をご検討されているものがございましたら、お気軽にお問い合わせください。

英語の成績書は発行できますか?

発行可能でございます。サンプル名について、英語表記名をお教えください。また、会社名、会社の所在地について、既に使用されている英語表記がございましたら、お知らせいただきますようお願いいたします。

一度発行してもらった成績書を再度発行してもらうことはできますか?

発行可能でございます。1検体の成績書につき、550円(税込み)の発行手数料がかかります。

成績書にある「定量限界」や「定量下限値」とは何ですか?

測定できる最小の濃度のことです。例えばある農薬成分の定量下限値が0.01 ppmの場合、0.01 ppm以上の濃度が検出されれば検出されたその農薬成分の濃度が明記されます。一方、0.01 ppmよりも低い濃度であれば「定量下限値未満」や「定量限界未満」といった表記になります。

その他のQ&Aはコチラ

残留農薬検査に関するお知らせ

GAP関係
GAP認証における残留農薬検査について
残留農薬検査
残留農薬検査の個別分析メニューを追加しました。
残留農薬検査
収穫前検査
【残留農薬基準】検出があった時の判断を解説

残留農薬に関するお知らせ・情報はコチラ